中国アニメと日本アニメを語る上で、今日は”ジャンル”に着目したいと思います。
ぶっちゃけ中国のアニメや漫画は恐らく“80後”を含めその後の世代にとっては、多かれ少なかれ日本やアメリカ作品の影響を受けているでしょう。
その為、作品をカテゴライズすると、同じ意味のジャンルの単語が海外でも簡単に見つかります。
ただ、中国での大ヒットIPがこれでもかと言うほど“海外では聞かない”同じジャンルに属していることを、ご存知でしょうか？
それが今日お話するジャンル：「玄幻」です。
動画サイトの中国国産アニメのジャンル
う〜ん初耳だなぁと思った方の為、中国国産アニメの制作に力を入れている動画プラットフォームのアニメチャンネルのジャンル欄をご紹介します。
恐らく漢字を見ただけで、他のジャンルはどことな〜くどういう意味か当てられそうな感じでは無いでしょうか？中国哲学などに詳しい人はもしかして知っているかもしれませんが、「玄」とは赤黒の色以外にも、道教（シャーマンキングの道蓮の実家で知られる？？）の哲学思想として使われる用語であり、「玄学」は「周易」、「老子」、「庄子」（総じて”三玄”と呼ぶ）の思想を研究した学問であり、陰陽五行や占い、風水など現代にも影響が残っている中々奥深い背景が有るのです。
そして「幻」とはファンタジーと解釈して良いでしょう。
その為、狭い意味で「玄幻」を解釈すると、「玄学要素の有るファンタジー」と解釈出来ますが、ぶっちゃけネット小説から発展したジャンルでそこまで堅苦しい定義も無かったりする空気感なので、「中国的伝統思想要素の有るファンタジー」的な感じの理解でOKかと思います。
良く歴史感の漂う古装の中国ドラマやアニメを見ると、時代劇？と思われる方も多いかと思いますが、その中の多くが「玄幻」ジャンルだったりします。転生だったり現代モノでも「中国的思想要素や観点」が有るファンタジーであれば広い解釈でこのジャンルに属していると言ってもいいので、かなり汎用性のあるジャンルでも有ります。
ぶっちゃけ、セーラー服を着た女子高生を見たら日本アニメを連想するかのように、「玄幻」はより中国作品へ連想させるようなジャンルだと思ってます。（暴論かな？）
英語のサイトとかを見ていても、ジャンル：[Xuanhuan]と中国後の読み方で表記されていたりするので、今後も更に定着してくるのかなーとも思ってます。
「玄幻」ジャンルに属する中国アニメ
（サイト別）
テンセントの場合
「魔道祖師」や「斗罗大陆」など、視聴回数の単位が億の中国アニメの代表格がズラリ！超メジャーなジャンルで有ることが伝わるのでは無いでしょうか？
ビリビリ動画の場合
先日ブログでも紹介した「霧山五行」や「凡人修仙傳」に加え、2020年7月新作アニメは「玄幻」ジャンルが目立ちます。そして今年10月に配信が開始する（ハズ）の「天宫赐福」は「魔道祖師」と同じネット文学作家による作品であり、とても注目されています。本作、漫画はビリビリの漫画アプリ「哔哩哔哩漫画」の中国漫画ランクングで常にTOP3には入っている感じです（連載追ってるので分ります）。
以前のブログ記事： 「霧山五行」：【中国アニメ】アクション・中国絵風の人気話題作「霧山五行」がすごかったので紹介します。 「凡人修仙傳」：【中国アニメ】2020年夏クールで注目すべき新作アニメ 【恋とプロデューサー】【凡人修仙傳】
今後、中国アニメの紹介をする時にはこの「玄幻」ジャンルであるか？も普通に使っていこうと思ったので、今回紹介しました〜
ではまた〜
コメント