2020年は上半期の「大理寺日誌」や「百妖譜」など高評価を保ちながらの視聴回数1億前後の中国アニメが配信されたビリビリですが、7月は更に「霧山五行」の他、4作の3DCGアニメが注目されており、どれもビリビリ独占で数千万〜億超えの視聴回数を稼いでいます。(作品:「元龍」、「灵笼」、「天宝伏妖录」、「凡人修仙伝」)
まだどれもクライマックス前で8話〜10話程更新されていますが、今だに評価9点以上(満点:10点)を維持しており、3DCGのネットアニメのジャンルや技術も含めここまで進んでいたのか!と驚かされます。
今後配信される3DCGアニメにとっては、結構なプレッシャーになるのでは無いでしょうか?
因みに今日お勧めするのはこの2作:
■イケメンが多い女性向け作品「天宝伏妖录」
作品名:天宝伏妖录 (Legend of Exorcism)
原作者:非天夜翔
連載:晋江文学城(ネット文学プラットフォーム。2017年より連載。)
アニメ製作:ビリビリ
アニメーション制作:玄机科技(Sparkly Key Animation Studio)
ジャンル:玄幻、(BL)
冒頭から”腐”のつく女性向け作品の紹介となります…(笑)
中国の場合、小説⇨漫画⇨アニメ⇨ドラマの順でよりマス向けに視聴者層が広がっていく為、BL要素はどんどん削ぎ落とされていきます(その中からアメを探すのも一興ですが)。その為、通常はBL表現が削ぎ落とされても魅力的な作品として成り立つメインストーリーが存在し、それだけでもヒット出来るような作品はビッグIPとしてドラマ化まで引っ張っていける可能性が出てきます(例:魔道祖师)。
本作の”天宝”とは唐の時代の年号で有り(西暦742年—756年)、その時代の都である”長安”がメイン舞台。”安史之乱”など歴史上の事件も小説では登場してきますが、それと”玄幻”ジャンルの特徴が融合した作品として、とても中国風なファンタジー作品となっています。
”玄幻”ジャンルについて⇨【中国アニメ】日本では見かけないアニメのジャンル:「玄幻」って何?
本作の制作会社”玄机科技”は中国はかなり有名な3DCGアニメ・ドラマ等の制作会社。超人気IPである「秦时明月」や「斗羅大陸」のアニメ制作も手掛けており、制作会社の名前を出しただけで安心感が有る会社です。
因みに「斗羅大陸」はテンセント動画で視聴回数200億回+を誇る長編アニメ(現在120話+)であり、中国アニメの最高視聴回数を誇る作品です。
その為、本作では超美形なイケメンが勢揃い!ビジュアルを見ているだけではクールキャラに見えますが、結構どのキャラも外見とギャップが有るような…(笑)
そして日本のセルアニメで使用されるようなベタなギャグ系表現も結構見かけられます(カラスが鳴いたり、大袈裟な転び方だったり)。そういったところが、結構ビリビリ製作っぽいなぁと思えたりしますね。
正直、3DCGアニメはこれまで女性向けにぶっ飛び過ぎている作品はあまり見かけなかったので、大手正統派(?)制作会社が本作を手掛けるというのは、かなり意外ではありました。
現在10話更新で4000万回+の視聴回数というのは、ビリビリ独占配信の日本の殆どの新作アニメより多い水準となっています。
■「三体」アニメを制作予定、芸花開天によるアニメ:「灵笼」
作品名:灵笼:incarnation (Ling Cage)*オリジナルアニメ
アニメ製作:芸花開天、ビリビリ
アニメーション制作:芸花開天(YHKT ENTERTAINMENT)
ジャンル:ポストアポカリプス、SF、熱血、バトル
空前の大災難により人類の文明は滅び、地球生物はほぼ絶滅に追いやられた。旧世界で宙に浮かぶ要塞”灯塔”で生き延びた生存者達。大災難の後、支離滅裂なこの大地では新たな生態圏が生まれていた。全てを支配することに慣れた人類は、未だこの世界の主宰者なのだろうか?
5年の制作を要した本作は、2019年に上半季を配信、当時既に400万+番組フォロワーを獲得している。下半期が配信夏休み配信出来たのもかなり苦労したようで、芸花開天の会社は武漢にあり、丁度コロナウイルスの大変な時期だったのだ。リモートワークの為にスタッフにパソコンを家まで送りつける、スタッフには会社の設備を遠隔操作で(!?)コントロールをして制作してもらうなどして、やっと間に合ったようだ(2020上海国際映画祭の先行上映会より)。
また、芸花開天は大手ゲーム会社の三七互娯(37 Interactive Entertainment)やビリビリ、テンセントから融資を受けており、オリジナルIPの開発、運営に注力している会社です。
「灵笼」も既にスマホゲーム「灵笼:火种」を発表しており、現在ビリビリで事前予約も開始しています。
そして芸花開天は超人気IP「三体」(原作者:劉 慈欣)のアニメも手掛ける事が発表されており、その面影は同じくSF作品としての「灵笼」でも垣間見える事が出来るのかな〜と思ってます。
ともあれ、更なる飛躍に期待出来る中国のアニメ制作会社だと思ってます!
今日はここまで、残りの2作については次回ご紹介します。
ではまた〜
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