【中国アニメ】ネットアニメのクオリティが急上昇!2020年7月ビリビリ配信の中国3DCGアニメオススメ:「元龍」、「凡人修仙伝」

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前回は2020年7月ビリビリ配信のオススメ3DCGアニメ4選の中から、「天宝伏妖录」と「灵笼」をご紹介しました。

【中国アニメ】ネットアニメのクオリティが急上昇!2020年7月ビリビリ配信の中国3DCGアニメオススメ:「天宝伏妖录」、「灵笼」

今日は残りの2作、一つは現在7月ビリビリ中国アニメで視聴回数のトップを争っている「元龍」とネットアニメでは新たな制作上の試みが盛り沢山な超ロングヒットIPのアニメ化、「凡人修仙伝」をご紹介します!

■異世界「なろう系?」アニメ:「元龍」

作品名:元龍 (Carp Reborn)

原作者:任怨

連載:掌阅小説網(ネット文学プラットフォーム)

アニメ製作:ビリビリ、掌阅影业

アニメーション制作:中影年年

ジャンル:玄幻、熱血、バトル、異世界転生

【ENG SUB】《元龙》定档PV 热血来袭 Carp Reborn PV Clip
元龍 PV

正直に感想を言うと、他の三作と比べると3DCGの制作クオリティは優れているとは言えないかなぁと思われる「元龍」ですが、現在11話更新され視聴回数1.4億回と、ビリビリではかなりの好成績です。そして総合的なデータで点数が振り当てられる人気ランキングではトップの座を維持しています。

本作の特徴としては、言うなれば男性向け異世界転生系のなろう系的なライトノベルからのアニメ化であり、それ故に見ていてスカッと爽快に思う感覚が続くかどうかが肝となります。その点でいうとポイントとなるのは3DCGのクオリティで髪の毛一本一本、表情のシワまで繊細に調整されているかなどでは無く、ベタにストーリー構成とテンポの良さ、そして女性キャラが魅力的かどうかにかかっています。

本作でストーリー構成とテンポの良さを補助しているのが、原作小説には無いオリジナル女性キャラです(PVの青髪ポニーテールの女の子です)。ただ、ただの萌系妹キャラでも無く、情報収集能力(ストーリー構成のテンポに役立っている)が備わっているキャラなので、ストーリー上主人公がそばに置く理由もまあまあうなずけます。

全体的なコメントを見ると”あるあるなストーリー””今季の他作と比べると優秀とは言えない3DCG制作クオリティ””どことなく目がチカチカする色使い”などのコメントの後に来るのが、”それでも良いや、だって見ていて面白いから!”といった感じです。現在の若い学生〜新社会人程の若い世代にとっては、”見ていてスカッとする状況がテンポ良く繰り広げられている作品”の方が重厚感の有る作品より見られているのは、正直日本でも中国でも同じ現象なのかなぁと感じています。言うなれば、純文学よりラノベの方が売れているような感じでしょうか。

因みに、本作は原作に忠実にという方向を結構捨てて、男性主人公の性格まで少し書き換えられています。元の正常成人男性(?)から現代の学生などの若者が共感しやすい、少しおちゃらけた、どこから来たのか解らない変な自信を持っているようなキャラに書き換えられています。そういった所もここ数年のターゲットの需要や特徴を分かっているからこその変更ポイントでしょう。

■ 中国ネットアニメ制作の真骨頂:『凡人修仙伝』

作品名:凡人修仙伝 (A Record of a Mortal’s Journey to Immortality)

原作者:忘语

連載:起点中文網(ネット文学プラットフォーム)

アニメ製作:ビリビリ、猫片、原力动画

アニメーション制作:原力动画、万维猫动画

ジャンル:玄幻、熱血、修仙

主人公の幼少期

原作は2008年から連載を開始していたロングヒットのネット小説大作です。

物語は山の中の村に暮らす普通の貧乏小僧が、ひょんな事から「江湖」の小さな門派に弟子入りする。素質は平凡だが自身の努力と知性で仙人修行を行うストーリー。

3D制作の大部分を担った制作元請と言えるのは、出資もしている原力动画。2019年下半期からモーションキャプチャの撮影に取り掛かり、社内外含め制作に携わった人は200〜300人程だと言います。

本作の注目ポイントは、何と言っても中国ネットアニメで色々な”初めて”を試し、業界の技術レベルへの認識を押し上げた事かと思います。

まず、本編数百分単位の人物を実際の俳優、女優により表情までもをモーションキャプチャで撮影したネットアニメは、中国初です。

本来映画レベルで使用される技術が、ビリビリ配信のネットアニメという形で登場したのには驚かされます。

そして従来海外映画や3Aゲームなどの下請けも行っていた原力ですが、ネットアニメでは勿論それほどまで資金は無く、試行錯誤で制作はコストカットとの戦いでもあったようです。

そんな中効率性を考え、Unreal Engine 4を使用、初めてネットアニメ制作でゲームエンジンを使用した作品となります。

そして、表情のモーションキャプチャの自動化補助ツールを開発、今季では試作段階で実際には使用されていませんが、来季では使用予定とのことです。その他、データ転送管理の自動化など本来制作進行が担う部分も効率アップツールを使用、演者が演じている時にほぼ最終形態に近い形でモニターでチェック出来るツールも自社開発したそうです。

情報:原力动画赵锐:全真人CG动画是IP改编的新可能方向

ビリビリ本編配信:https://www.bilibili.com/bangumi/play/ss28747/?from=search&seid=4205996501935358967

以前のインタビューでは1分の制作費が大体十数万元(10万元で約150万円)と原力動画の副総裁周氏の答えており、諸々今後さらに工業化ツールが整ってきたらそれより安くなるのでは無いかな…?と希望が持てます。

ただ、そんな本作ですが、制作陣が一番困難だったのは以下にしてこの700万文字超えの小説をアニメ化するかという所だったようです。原作に忠実にアニメ化すると、一生作っていく位骨の折れる事です。その為、どういった形で原作を咀嚼し再構築していくか、本当に難し所でしょう。

特に本作は10年来の原作ファンが大量にいて、彼・彼女達は普段からアニメを見ている訳では無かったりします。その為、中々シビアな評価をしている原作ファンは確かに多いですね。

しかしながら、本作の制作が中国ネットアニメの工業化の一つの道を示しているような、そんな役割を果たしている事には変わりないと思っています。

興味の有る方は、是非見てみて下さい〜

ではまた〜

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